まさにどんでん返し!読んで震えた「ハサミ男」ネタバレ考察まとめ

小説

殊能将之さんのデビュー作「ハサミ男」を読み終えて、しばらく放心してしまいました。

🐻「正体、なんとなく分かった気がする」
🐹「え、そこ気づいてなかった…」

そんなふうに、読んでいる途中の自信をラスト数十ページで丸ごとひっくり返してくる作品です。

本記事では「ハサミ男 ネタバレ」で検索してたどり着いた人向けに、正体・真犯人・結末・登場人物まで、具体的な場面を交えて解説し、読了直後の率直な感想もまとめました。

未読の場合はご注意ください🙏

「ハサミ男」とは?ネタバレなしであらすじ紹介

「ハサミ男」は1999年に講談社ノベルスから刊行された殊能将之のデビュー長編です。

同年の第13回メフィスト賞を受賞し、「このミステリーがすごい!」でも上位にランクインしました。

物語は二つの視点で交互に進みます。
・研ぎ澄ませたハサミで女子高生を襲う殺人犯「ハサミ男」の一人称視点
・その事件を追う刑事側の視点

3番目の標的として選ばれた高校2年生・樽宮由紀子をストーキングしていた「わたし」は、ある日その遺体を先に発見してしまいます。

しかも遺体は紛れもなくハサミ男の手口で殺されていました。

ここから「わたし」は、自分の犯行を模倣した何者かの正体を追う、奇妙な探偵役を担うことになります。

登場人物一覧|「ハサミ男」の主要キャラクター

人物名 立場・概要
日高光一
(ひだか・こういち)
樽宮由紀子の遺体を発見した一人として物語に関わっていく。警察から疑いの目を向けられる立場になる。
医師
(“ぼく”)
物語の一人称パートに度々登場する人物。「わたし」に助言や指摘を行う相手役として現れる。
樽宮由紀子
(たるみや・ゆきこ)
私立葉桜高校に通う高校2年生。物語の中心となる事件の被害者。
安永知夏
(やすなが・ちなつ)
氷室川出版に勤務する人物。樽宮由紀子の遺体発見に居合わせたもう一人の人物。
堀之内靖治
(ほりのうち・やすはる)
科学捜査研究所所属の警視正で犯罪心理分析官。捜査に協力する立場として登場する。
磯部
(いそべ)
堀之内の助手役として捜査にあたる刑事。正義感が強い。

【ネタバレ】終盤で明かされる衝撃の正体

※この先ネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人称で語る「わたし」の正体は安永知夏という女性です。

それまでに小西美菜、松原雅世という二人の女子高生を殺害してきた張本人でもあります。

作中では、安永知夏の中にもう一つの人格である「医師」が存在し、自分のことを「ぼく」と呼びます。

樽宮由紀子の母親であるとし恵と会話する場面では、この「医師」の人格が表に出てきてしまう瞬間があり、とし恵は態度の変化にわずかな違和感を覚えるものの、深くは追及しません。

この一人称や口ぶりが、読者に語り手を男性だと思い込ませる仕掛けの一部になっています。

さらに、「わたし」自身は自分の体型を太っていると否定的に捉えているのに対し、作中に登場する男性たちは「わたし」の体格を健康的だと評する場面があります。

この食い違いも、後から読み返すと性別に関する伏線だったと分かる部分です。

加えて、被害者への性的暴行の痕跡が一切ない点も、「ハサミ男=女性」を示すヒントとして機能しています。

性別を伏せる叙述トリックは、探せば序盤から違和感として散りばめられています。

単なる「だまし」ではなく、フェアな伏線として機能している点が高く評価される理由だと感じました。

【ネタバレ】樽宮由紀子殺害事件の真相

遺体発見直後、「わたし」は通行人に声をかけられてしまい、やむを得ず第一発見者のふりを続けます。

持っていたハサミはその場に投げ捨て、代わりに現場に落ちていたイニシャルK入りのライターを拾って、独自の調査を始めます。

その後、由紀子の友人である亜矢子や、教師の岩佐と接触しますが、手がかりはつかめず、いったんは行き詰まってしまいます。

焦った「わたし」は自殺を図りますが失敗し、居合わせた刑事から事情を聴かれることになります。

身に疑いがかかっていると考えた「わたし」は、現場にハサミが二つ落ちていたという情報を週刊誌にリークし、注意をそらそうとします。

この情報は本来、犯人か警察関係者しか知り得ないものだったため、警察は情報の出どころを疑い、日高への警戒を強めていきます。

由紀子の告別式に参列した「わたし」は、そこで由紀子の実の父親を目撃します。

そして、これ以前に調査中に見かけていた「父親らしき男性」が、実の父親でも義理の父親でもなかったことに気づきます。

この男性の正体こそが、事件解決の鍵を握っていました。

最終的に明らかになるのは、樽宮由紀子を殺害した人物が、捜査に協力していたはずの科捜研の警視正だったという事実です。

美術館で由紀子と出会って交際を深め、妻との離婚まで考えるほど関係にのめり込んでいたところ、由紀子から告げられていた妊娠が嘘だったと分かり、結婚するつもりはないと突き放されたことで、愛情が一転して殺意に変わったというのが動機でした。

犯行後は、ハサミ男の手口を装って罪を隠し、もう一人の遺体発見者だった日高に疑いを向けようとします。

しかし警察は、現場に落ちていた二つのハサミの研ぎ方に違いがあることに気づき、別人物が関与している可能性を疑い始めます。

追い詰められたこの人物は日高を手にかけ、さらに安永知夏への加害行為に及ぶ場面を磯部に目撃されたことで、すべての罪を告白した上で自ら命を絶ちます

物語のラストは、入院中の安永知夏が隣のベッドを見舞いに来た女子高生に名前を尋ねる場面で幕を閉じます。

ハサミ男としての犯行がこの先も続くのかどうかを匂わせる余韻が残る終わり方です。

読んでみた感想|叙述トリックに完敗した話

正直なところ、序盤は淡々とした描写が続く印象で、少しページをめくる手が止まりかけました。

ただ後半に入った瞬間から一気に加速する構成には完全にやられてしまいます。

「性別を伏せる」というトリックの存在自体は知っていても、実際に文章の中でどう仕掛けられているかを体感すると、単純な驚きとは違う「してやられた」という納得感が残りました。

読み終えた直後にまず最初のページへ戻りたくなる作品で、実際に読み返すと「わたし」の言動一つひとつに二重の意味が仕込まれていたことが分かります。

1999年の作品でありながら、古さをまったく感じさせない構成力には素直に驚かされました。

クマのアイコン

正体が分かった瞬間、思わず「えっ」て声出た…

序盤の違和感、実はちゃんと伏線だったんですよね

ハムスターのアイコン

まとめ

「ハサミ男」は、語り手・安永知夏の正体樽宮由紀子を殺害した堀之内という真犯人という二つの謎が終盤で一気に収束する構成力が魅力の一冊です。序盤の淡々とした空気に気を抜いていると、後半で用意された伏線回収に見事に打ちのめされます。1999年刊行という年月を感じさせない完成度で、再読するほど新しい発見がある作品だと感じました。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ハサミ男 (講談社文庫) [ 殊能 将之 ]
価格:1,012円(税込、送料無料) (2026/7/13時点)

楽天で購入

 

※本記事は2026年7月時点の内容です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました